平成15年9月6日 NO.217
 彼岸とは季節のうえからいえば気候の変化の節目になるものですが、精神的には、小林一茶が「今日彼岸さとりの種をまこうかな」と詠んでいるように、さとりの種をまこうと思いたつ日です。「さとり」とは「さようとる」という言葉が短縮したものだと言われていますが、「さようとる」とは、ものごとをありのままに素直な目で見ることです。
 以前、ある奥さんが「鼻の穴が開きっぱなしであるのが有難いですね」と言われていたことが心に残っています。ありのままに眺められたら、こんな素晴らしい発見があるのですね。夜、目は閉じられていても鼻の穴が開いているから息ができるし、その鼻の穴が下を向いているからホコリが入らずに助かっている。ありのままに眺めてみたら、この世は不思議だらけ。これを不思議と感じることが大切で、そのように感じられたら智慧の目が開いたと仏教ではいいます。
期 日 9月23日(祝)
昼席 午前 9:00 納骨堂のおつとめ
午前 9:20 永代供養墓の前でおつとめ
午前 9:30 水子地蔵尊のおつとめ
午前10:00 彼岸法要(法話あり)
夜席 午後 7:00 彼岸法要(法話なし)
法 話 佐々木瑞昌教師(安岐町 臨済宗 西白寺住職)
永代供養を併修します。関係者の方はおまいり下さい。
昼席では昼食の供養あり。(無料) 夜席なし。
塔婆回向料(一霊 500円) 用紙に記入して当日受付に出して下さい。
「彼岸和讃」等々を奉納しますのでよろしく。


振興仲間や夫婦や友人などが来世も極楽の花の台の上に一緒に生れたいという願いを一蓮托生という。要するに美しい心で結びあった人々の来世に対する願いを表すのだが、それが拡大解釈されて「運命を共にする」という意味に用いられるようになり、ついには悪事をおかして窮地に追う込まれた者が一味に対して「こうなれば一蓮托生だ」などとおどして互いの覚悟をうながしたりする言葉となった。だが考えてみればおかしな話で、悪人の郎党が蓮の台に生れようと願うはずがない。
日本人の親子 (その16)
  
江戸の町に後藤艮山こんざんという漢方の名医がいました。ある日の真夜中。憔悴しきった一人の若い女が訪ねてきました。ある商家の若嫁です。彼女は畳に頭をすりつけて艮山に懇願しました。
「先生、一生のお願いです。毒薬を一服盛って下さい。」
とんでもない依頼です。
「なにに使うのかね」
「お姑さんに死んでもらうのです」
その家の嫁と姑の犬猿の仲は評判だった。それを知っていた艮山は、今ここで断ったら、この嫁は自害する、と見てとった。
「よし、わかった」
しばらくして艮山は三十包の薬を渡し、神妙にこう言った。
「一服で殺したとあっては、お前さんが疑われる。あんたは磔、わしは打ち首。そこで相談だが、この三十包、毎晩一服ずつ飲ませるのじゃ。そうすりゃ、三十日目に、ころりと死ぬように調合しているからな。わずか三十日の辛抱じゃ。お母さんの好きなものを食べさせ、やさしい言葉をかけ、手足をよくもんであげなさい」

翌晩から彼女は言われたとうりに実践した。
一ヶ月めの夜、いつものように手足をもみ終わると、お姑さんがツト立ち上がり、驚く彼女に両手をついて言った。
「今日は、あなたにあやまらねばならないことがある。今まで私があなたにきつくあたってきたのは、代々続いたこの店の家風を、早く身につけてもらうためでした。それがここ一ヶ月、あなたは見違えるように生まれ変わった。よくきがつくようになってくれました。もう言うことは何もない。今日かぎり一切をあなたに任せて私は隠居します」
びっくりしたのはお嫁さんです。そのまま艮山先生の所へ駆け込んで、また畳に頭をすりつけました。
「先生、私は大変な心得違いをしていました。先生、一生のお願いです。毒消しの薬をはやく、はやく作ってください」
気も狂わんばかりに訴える彼女に向って、艮山先生、大笑い。
「心配ないよ。あれはただのソバ粉だよ。ハッハッハッハ・・・」
「日本の親子」と題して、今は忘れられかけている親子の姿を次々にご紹介させていただいているのですが、昔はこんな親子の姿もあったのですね。こんな親子の姿も困ったものですが、「親捨てた報いで子にも捨てられる」という今日の親子姿も、嘆かわしいものです。人間関係の隙間風は、「自分は正しいと思い込むところに吹き込んでくる」用心したいものです。
ところでお姑さんに一服盛っていた時のお嫁さんの心の状態を一期一会といっています。この気持ちになれば、どんな困難でも乗りこえられないことはないのですね。人間にとって一番の大敵は「明日あり」と思うところから生れる心のゆるみでしょう。
(住職
去る8月14日、新盆を迎えられた方々の霊位を中心にお施餓鬼法要がいとなまれ、150名の方々のお参りをいただき、お寺はこれでお盆の行事のすべてを終わりました
去る8月1日より2泊三日にかけていとなまれた恒例の「夏のつどい」(第35回)では、小中学生45名が加勢のリーダー10名の指導のもとに、無事故で有意義におつとめを終えることができました。子供たちに仏心の種まきを。今年参加できなかった子供さん達は、来年是非とも参加してください。

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